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2005.10.28 ドラえもんの最終回
のび太とドラえもんに別れの時が訪れます。それは、なんともあっさりと...。

のび太はいつものように、宿題をせずに学校で叱られたり、はたまたジャイアン

にいじめられたり、時にはスネ夫の自慢話を聞かされたり、未来のお嫁さんで

あるはずのしずかちゃんが出来杉との約束を優先してしまう、などなどと、と

まあ、小学生にとってはそれがすべての世界であり、一番パターン化されてますが

、ママに叱られたのかもしれません。とにかく、いつものように、あの雲が青い空

に浮かんでいた、天気のいい日であることは間違いないことでしょう。そんな

いつもの風景で、

 

ドラえもんが動かなくなっていた...。

 

当然、のび太にはその理由は分かりません。喋りかけたり、叩いたり、蹴ったり、

しっぽを引っ張ってみたりもしたでしょう。なんの反応も示さないドラえもんを

見てのび太はだんだん不安になってしまいます。付き合いも長く、そして固い

友情で結ばれている彼ら、そしてのび太には動かなくなったドラえもんがどう

いう状態にあるのか、小学生ながらに理解するのです。その晩、のび太は枕を

濡らします。

 

ちょこんと柱を背にして座っているドラえもん...。

 

のび太は眠りにつくことができません。泣き疲れて、ただぼんやりしています。

無駄と分かりつつ、いろんなことをしました。できうることのすべてをやった

のでしょう。それでも何の反応も示さないドラえもん、泣くことをやめ、何か

しらの反応をただただ、だまって見つめ続ける少年のび太。 当然ですがポケット

に手を入れてみたり、スペアポケットなんてのもありましたが動作しないのです。

そして、なんで今まで気付かなかったのか、のび太の引き出し、そう、タイム

マシンの存在に気がつくのです。ろくすっぽ着替えず、のび太はパジャマの

まま、22世紀へとタイムマシンに乗り込みます。

 

これですべてが解決するはずが...。

 

のび太は、なんとかドラミちゃんに連絡を取り付けました。しかし、のび太

はドラミちゃんでもどうにもならない問題が発生していることに、この時点では

気が付いていませんでした。いえ、ドラミちゃんでさえも思いもしなかったこ

とでしょう。「ドラえもんが治る!」、のび太はうれしかったでしょう。せか

すのび太と状況を完全には把握できないドラミちゃんはともにかくにも20世紀へ。

 

しかしこの後に人生最大の落胆をすることになってしまうのです。動かない

お兄ちゃんを見て、ドラミちゃんはすぐにお兄ちゃんの故障の原因がわかりま

した。 正確には、故障ではなく電池切れでした。そして電池を交換する、その

時、ドラミちゃんはその問題に気が付きました。

 

予備電源がない...。

 

のび太には、なんのことか分かりません。早く早くとせがむのび太にドラミ

ちゃんは静かにのび太に伝えます。『のび太さん、お兄ちゃんとの思い出が消えち

ゃってもいい?』当然、のび太は理解できません。なんと、旧式ネコ型ロボットの

耳には電池交換時の予備電源が内蔵されており、電池交換時にデータを保持しておく

役割があったのです。そして、そうです、

 

ドラえもんには耳がない...。

 

のび太もやっと理解しました。そして、ドラえもんとの思い出が甦ってきま

した。初めてドラえもんに会った日、数々の未来道具、過去へ行ったり、未来に行

ったり、恐竜を育てたり、海底で遊んだり、宇宙で戦争もしました。鏡の世界にも行

きました。どれも映画になりそうなくらいの思い出です。

ある決断を迫られます...。

ドラミちゃんは、いろいろ説明をしました。ややこしい規約でのび太は理解

に苦しみましたが、電池を交換することでドラえもん自身はのび太との思い出が消

えてしまうこと、今のままの状態ではデータは消えないこと、ドラえもんの設計

者は、設計者の意向で明かされていない(超重要極秘事項)ので連絡して助けてもら

うことは不可能であるという、これはとっても不思議で特異な規約でありました。

ただ修理及び改造は自由であることもこの規約に記されていました。

 

のび太、人生最大の決断をします。

 

のび太はドラミちゃんにお礼を言います。そしてドラえもんは「このままでよい」

と一言、告げるのです。ドラミちゃんは後ろ髪ひかれる想いですが、何も言わずに

タイムマシンに乗り、去っていきましたのび太、小学6年生の秋でした。

 

あれから、数年後...。

 

のび太の何か大きく謎めいた魅力、そしてとても力強い意志、どこか淋しげな目、

眼鏡をさわるしぐさ、黄色のシャツと紺色の短パン、しずかちゃんが惚れるのに

時間は要りませんでした。 外国留学から帰国した青年のび太は、最先端の技術を

もつ企業に就職し、そしてまた、めでたくしずかちゃんと結婚しました。

そして、それはそれはとても暖かな家庭を築いていきました。ドラミちゃんが

去ってから、のび太はドラえもんは未来に帰ったとみんなに告げていました。

そしていつしか、誰も「ドラえもん」のことは口にしなくなっていました。しかし、

のび太の家の押入には「ドラえもん」が眠っています。あの時のまま...。

 

のび太は技術者として、今、「ドラえもん」の前にいるのです。

 

 

小学生の頃、成績が悪かったのび太ですが、彼なりに必死に勉強しました。

そして中学、高校、大学と進学し、かつ確実に力をつけていきました。企業でも

順調に、ある程度の成功もしました。そしてもっとも権威のある大学に招かれる

チャンスがあり、のび太はそれを見事にパスしていきます。そうです、「ドラえ

もん」を治したい、その一心でした。人間とはある時、突然変わるものなのです。

それがのび太にとっては「ドラえもんの電池切れ」だったのです。修理が可能で

あるならば、それが小学6年生ののび太の原動力となったようでした。

 

 

自宅の研究室にて...。

 

あれからどれくらいの時間が経ったのでしょう。しずかちゃんが研究室に呼ばれ

ました。絶対に入ることを禁じていた研究室でした。中に入ると夫であるのび太

は微笑んでいました。そして机の上にあるそれをみて、しずかちゃんは言いました。

ドラちゃん...?』のび太は言いました。『しずか、こっちに来てごらん、

今、ドラえもんのスイッチを入れるから』

 

頬をつたうひとすじの涙...。

 

しずかちゃんはだまって、のび太の顔を見ています。この瞬間のため、まさに

このためにのび太は技術者になったのでした。なぜだか失敗の不安はありません

でした。こんなに落ち着いているのが辺だと思うくらいのび太は、静かに、静かに、

して丁寧に、何かを確認するようにスイッチを入れました。

ほんの少しの静寂の後、長い長い時が繋がりました。

 

『のび太くん、宿題は済んだのかい?』

 

ドラえもんの設計者が謎であった理由が、明らかになった瞬間でもありました。

あの時と同じように、空には白い雲が浮かんでいました。

おわり







・・・予備校講師に勧められてみたサイトからの引用だけど・・・

この話いいね。
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